【登山初心者必見】初めての登山におすすめの山 5選＜関東＞

初めて登山をしようと思ったときにまずは初心者でも登りやすそうな山を選びたいと思いますよね。その時みなさんは初心者でも登れそうな山かどうかを”山頂の標高”のみで判断していませんか？しかし、実際には”山頂の標高”のみで山の難易度を測ることは非常に危険です。

この記事では上記の理由とそれを踏まえた「初心者の方でも安心して登れる関東のおすすめの山 5選」を紹介いたしますので、参考までにご覧ください。

山の難易度を判断するための3つのポイント

まずはこの記事の冒頭に記載した『”山頂の標高”のみで山の難易度を測ることは非常に危険』な理由についてご説明いたします。仮に山頂の標高(終着地点)が3,000 Mの山があるとしましょう。これだけ見るととても初心者が登りやすそうな山には感じませんよね。しかし、この山の登山口(出発地点)の標高が2,900 Mだとしたらどうでしょうか？この場合、実際に登る高さはたったの100 Mとなるため、数分程度で登れそうな難易度の低い山に感じるのではないでしょうか。

細かい話をすれば、山頂の標高が高くなると気温も低くなるため、服装や装備などにより気を使う必要があったり、または足元が岩場や砂利道など非常に不安定であったり鎖場などが連発していたりと登山道の環境によっても難易度は変わりますが、まずは最低限「登山口～山頂まで」の”標高差”及び”歩行距離”を確認しておくと安心です。
それでは山の難易度を判断するための3つのポイントを紹介します。

①山頂の標高

先ほど”山頂の標高”のみで難易度を判断するのは危険とお伝えしたばかりではございますが、やはり”山頂の標高”自体は難易度を測るのに重要なポイントとなります。標高が高くなると気圧が下がるため、周囲の酸素量が減少します。そのため、全く同じ強度の運動をした場合でも標高の高いところと低いところとでは心拍数（息）の上がり方が大きく異なります。また、気温も下がる（100 M毎に0.65 ℃下がる）ため防寒着の準備はもちろんのこと、低体温症のリスクを回避するために汗の処理も適切に行う必要があります。

「登山の服装」についてはこちらの記事で紹介しておりますので、参考までにご覧ください。

「登山の服装」とは？登山初心者が知っておきたい基本知識

いざ登山を始めようと思ったときに、服装について悩まれる方は多いのではないでしょうか。この記事を読めば「普段着でも大丈夫？」「レイヤリングってなに？」「素材はどんなものがいい？」等の疑問が解消し、登山初心者でも快適に登山を楽しめるようになりま...

climber-forest.com

②登山ルート（標高差、歩行距離、登山道の種類）

「山の難易度」を判断するうえで一番大切なことと言っても過言ではないのが「登山ルート」です。
登山口から山頂までの”標高差”やトータルの”歩行距離”、そして岩場や砂利、鎖場などの”登山道の種類”などを確認することで、かなり正確に「山の難易度」を測ることが可能となります。

“標高差”と”歩行距離”からは登山時間や消費カロリー、おおよその傾斜などを算出することが可能です。自分が普段舗装された道で歩いている距離やそれにかかる時間などと比較し、自分でも登れる山かどうかを判断できます。
また、”登山道の種類”からは足場の状況（岩場や砂利、泥、鎖場など）により、普段の舗装道との足へ掛かる負荷や歩行に要する時間などの違いを考慮することで、詳細な登山のイメージが可能となります。

③ロープウェイなどの設備の有無

ロープウェイを使用することで、標高が高く登山ルートも険しい”高難度”の山を非常に簡単に登ることが可能となります。ロープウェイの最大のメリットは自分の足だけでは登頂の難しい”高難度”の山であっても、非常に安全かつ簡単に登ることができる点にあります。ロープウェイを降りた直後から絶景を一望でき、高山ならではの澄んだ空気や大自然を満喫することが出来るため、非常に楽しく登山を始めることができるため、登山初心者であまり体力に自信のない方はロープウェイの通っている山をおすすめします。

初心者におすすめの山 5選＜関東＞

1.鋸山（千葉県・富津）

難易度	★～★★
標高	329 M
標高差	300 M
歩行距離	4.8 km
山行時間	2～2.5 時間
ロープウェイ 有無	有
駐車場 有無	有

鋸山（正式名称：乾坤山（けんこんざん））は、千葉県富津市にある山で山頂の標高は329 Mです。鋸の歯のように尖った岩峰が特徴であることから通称鋸山と呼ばれており、山頂からは東京湾や房総半島の壮大な景色が一望でき、晴れた日には遠くの富士山まできれいに見ることができるため、「関東の富士見百景」にも選定されています。
さらに、鋸山には「日本寺（にほんじ）」という歴史的な寺院があり、山の中に立つ大仏が有名です。
山頂には「地獄覗き」と呼ばれる絶景スポットもあり、観光気分で登山を楽しむことができます。

＜おすすめポイント＞

1. 都心からのアクセス良好（車の場合：1時間30分程度、電車の場合：2時間30分程度）※いずれも東京駅出発時
2. 登山、ハイキングコースが豊富（自分のレベルに合わせて選択可能）
3. 観光名所が盛りだくさん（地獄覗きや日本寺大仏、百沢観音像 etc）
4. 近隣施設が充実（グルメや温泉、サウナ etc）
5. 山頂からの景色が絶景　（「関東の富士見百景」にも選定）

2.日の出山（東京都・日の出町）

難易度	★★
標高	902 M
標高差	約 535 M
歩行距離	約 6.5 km
山行時間	3 ～ 4 時間
ロープウェイ 有無	有
駐車場 有無	有

日の出山は東京都の奥多摩エリアに位置する標高902 Mの山です。山頂からの展望が素晴らしく、関東平野や筑波山、そして遠くの富士山まで見渡せます。その名の通り、特に元旦には初日の出を見るために多くの登山客で賑わう人気の山です。

＜おすすめポイント＞

1. 御岳山からの縦走が楽しい：ケーブルカーのある御岳山（929 M）から日の出山へ向かう縦走コースが人気。御岳山まではケーブルカーで楽に標高を稼げ、日の出山までは比較的整備された歩きやすい道が続きます。
2. 温泉でゴール：下山ルートの終点に「つるつる温泉」があり、登山後の疲れた体を癒すことができます。
3. 都心からのアクセスが良い：都心から日帰りでアクセスしやすく、登山初心者でも挑戦しやすいコース設定が可能です。

3.赤城山（群馬県・前橋）

難易度	★★★
標高	1,828 M
標高差	約 480 M
歩行距離	約 5.0 km
山行時間	3 ～ 3.5 時間
ロープウェイ 有無	無
駐車場 有無	有

赤城山は群馬県の中央に位置する複数の峰を持つ成層火山で、日本百名山の一つに数えられています。最高峰は黒檜山（くろびやま）の1,828 Mです。標高は高いですが、登山口である大沼（おおぬま）湖畔まで車やバスでアクセスできるため、実質の標高差（登る高さ）は約500 M前後と抑えられており、比較的短時間で登頂が可能です。

＜おすすめポイント＞

1. 短時間で百名山に挑戦：登山口が高いため、日本百名山の中でも初心者にとって挑戦しやすい山のひとつです。
2. 美しい火口湖：山頂直下のカルデラ湖である大沼・小沼など、豊かな自然と美しい湖の景色を楽しめます。
3. 豊富なコースバリエーション：最高峰の黒檜山だけでなく、初心者向けの覚満淵（かくまぶち）の湿原ハイキングなど、レベルに応じたコースを選べます。
4. 四季折々の景観：ツツジや紅葉、冬の雪景色など、一年を通じて違った景色が楽しめます。

筑波山（茨城県・つくば）

難易度	★★★
標高	877 M
標高差	約 335 M
歩行距離	約 4.7 km
山行時間	3 時間
ロープウェイ 有無	有
駐車場 有無	有

筑波山は茨城県にある標高877 Mの山で、西側の男体山（なんたいさん）と東側の女体山（にょたいさん）の2つの峰から成り立っています。日本百名山の中では最も標高が低い山として知られ、ロープウェイとケーブルカーの2種類が運行しているため、初心者でも非常に気軽に山頂付近までアクセスできます。

＜おすすめポイント＞

1. 初心者・体力に自信がない方にも最適：ロープウェイ・ケーブルカーを使えば、山頂までほとんど歩かずにたどり着けます。ロープウェイの駅（つつじヶ丘）から歩き始めても、山頂までの標高差を約335 Mに抑えられます。
2. 奇岩・怪石群：山頂付近には「弁慶七戻り」「ガマ石」など、ユニークな形をした巨岩・奇石が点在しており、観光気分で楽しめます。
3. 充実の設備：山頂付近には売店やレストラン、トイレなどが整備されており、安心して登山を楽しむことができます。
4. 関東平野を一望：山頂からの眺望は素晴らしく、特に女体山頂からは関東平野を一望できます。

金時山（神奈川県・箱根）

難易度	★～★★
標高	1,212 M
標高差	約 375 M
歩行距離	約 2.8 km
山行時間	1.5 時間
ロープウェイ 有無	無
駐車場 有無	有

金時山（きんときやま）は箱根外輪山の一峰であり、標高は1,212 Mです。金太郎伝説ゆかりの山として有名で、山頂からは富士山が目の前に迫るような大迫力の絶景が楽しめるとあって非常に人気が高い山です。

＜おすすめポイント＞

1. 富士山の絶景：山頂からの富士山の眺めは関東随一とも言われ、その景色を見るために多くの登山客が訪れます。
2. 最短・最楽ルートあり：金時見晴駐車場から登り始めるコースを選べば、標高差は約375 M、往復の山行時間は1時間45分程度と、非常に短い時間で登頂が可能です。体力に自信のない初心者の方におすすめです。
3. 箱根観光とセットで楽しめる：温泉地として有名な箱根に位置しているため、登山後に温泉や観光を楽しむプランが立てやすいです。
4. 金太郎伝説：「金時宿り石」など、金太郎伝説にまつわるスポットがコース途中にあり、楽しみながら歩けます。

まとめ：あなたのレベルに合った山を選ぼう

今回は「標高差」や「ロープウェイの有無」といった初心者でも登りやすさを測る指標に着目し、関東のおすすめの山 5選をご紹介しました。

山名	標高	初心者おすすめ ルートの標高差（目安）	ロープウェイ・ ケーブルカー	特徴
鋸山	329 M	約 300 M	有	観光・絶景。 低山ながら満足度が高い。
筑波山	877 M	約 335 M （登山口次第）	有（2種類）	百名山最下位。 設備充実で安心。
金時山	1,212 M	約375 M （最短ルート）	無	1,000 M級。 富士山大迫力。
日の出山	902 M	約 535 M （御岳山から縦走）	有（御岳山）	温泉ゴールが魅力。縦走の練習に最適。
赤城山	1,828 M	約 480 M （登山口が高い）	無	短時間で登れる百名山。

初めての登山は、無理をせず「標高差 500 M以下」「山行時間 3時間程度」を目安に、ロープウェイを有効活用して安全に楽しむことが大切です。まずは景色と達成感を楽しむことから始め、徐々にレベルアップしていきましょう！