自然と直接触れ合うことのできる登山は老若男女問わず人気がありますが、いざ登山を始めようと思ったときどのような服装で行くべきかわからず悩んでしまいますよね。
登山では服装の選択を間違ってしまうことで登山を楽しめなくなってしまうばかりか、体調を崩してしまったりと楽しいはずの登山が辛い思い手となってしまうことがよくあります。
こちらの記事では特に登山初心者の方に向けて「登山の服装」についての基本知識や服装の選び方などを簡潔にまとめて紹介します。
私自身も「登山の服装」について悩んでなかなか一歩踏み出せない時期がございましたが、こちらで紹介している基本的な知識を身に着けるだけでそんな悩みも吹き飛び、快適な登山ができるようになりましたので、みなさんもぜひ参考にしてみてください。
登山初心者が知っておきたい!「登山の服装」の基本知識
「登山の服装」を考える時には主に下記3つの変化を考慮する必要があります。
- 天候の変化:山の天気は非常に変わりやすいため、レインウェア(雨具類)は常に準備しておく必要があります。
- 標高差による気温の変化:標高が100m高くなると気温は約0.65℃下がるため、想像以上に登山中は寒く感じます。
- 体温の変化:有酸素運動による体温上昇、汗冷えによる体温低下。
これらの変化に適応できるように「レイヤリング(=重ね着)」というウェアの組み合わせが登山では重要です。
また、素材や機能性にも気を配ることでより快適に登山を楽しむことができるようになります。
普段着(運動着)でも大丈夫?
しかし、いざ登山を始めようと思ったときに、全ての登山道具を揃えることは金銭的にもなかなか難しいですよね。「普段着(運動着)」でも登山に行けたら楽なのにと考える方も多いのではないでしょうか。結論から言うと「普段着(運動着)」で登れる山は多数あります。
高尾山(東京都)や筑波山(茨城県)、鋸山(千葉県)などの低山かつ道がしっかりと舗装されており比較的歩きやすいルートのある山であれば、「普段着(運動着)」で登ることができます。また、上記の山にはケーブルカーやロープウェーがあるので、万が一トラブルが発生しても安全に下山することができるので安心です。
初めて登山される方は、山の標高のみではなくこのような設備等についても調べておくことをお勧めします。
なお、まだ登山を趣味として長期的に続けていくかわからないといった方は、まずはレンタル装備から始めてみるのも一つの手段だと思います。レンタル品で気に入ったものや必要性を感じたものから購入してみましょう。
本格的に登山を始めようと思ったタイミングで、少しずつでも問題ないので登山用の服装を揃えましょう。
レイヤリング(=重ね着)を意識しよう!
「登山の服装」の基本と言われている「レイヤリング(=重ね着)」についてご紹介いたします。
前述の通り、登山では様々な環境の変化に適応できる服装を心がける必要がありますが、
どんなに高性能な登山用のウェアであっても、1着で全ての環境に適応することは不可能です。
そのため、基本的には主に下記3種類のウェアを重ね着(=3レイヤー)することで、様々な環境の変化に適応します。
ウェア種類 | 主な素材 | 役割 |
ベースレイヤー | ウール・ポリエステル | 汗の吸収・速乾による不快感の解消・体温の保持 |
ミドルレイヤー | フリース | ベースレイヤーから吸収した汗の拡散・体温の保持 |
アウターレイヤー | ゴアテックス・ダウン | 雨、風、雪などの悪天候から体を守る |
それぞれのウェアの特徴についてご紹介いたします。
①ベースレイヤー(保温、吸汗速乾)
「ベースレイヤー」は普段の服装でいうところの「肌着」にあたり、1番下(内側)に着用するウェアです。
直接肌に触れるため、機能性はもちろんのこと肌触りや着心地についても意識しておくことが重要です。
素材としては「ウール」や「ポリエステル」が一般的で、登山により生じた汗を素早く吸収・拡散することで常に肌をドライに保つ役割があります。
注意したい点としては普段肌着として着用している「綿(コットン)」は避けた方がよい点です。
理由として「綿(コットン)」は吸水面では優れているが速乾性に問題があるため、汗に濡れたウェアが乾かず不快感によるパフォーマンスの低下や汗冷えによる低体温症のリスクがあるためです。
そのため「ベースレイヤー」を選ぶ際には「吸汗・速乾性」を特に意識しましょう。
②ミドルレイヤー(保温、通気性)
「ミドルレイヤー」は名前の通り「ベースレイヤー」と「アウターレイヤー」の間に着る中間着のことです。
ベースレイヤーから移行した汗の蒸発・拡散(通気性)と外気による体温低下を防ぐ(保温)役割があります。
ミドルレイヤーが他のウェアと異なる点は、複数重ね着することで相乗効果が期待できることです。
主に行動着として着用することとなるため、運動による体温上昇と標高差による気温の変化への対応が必須となり、より細やかな温度調整を行う必要があります。
そのため1着のウェアで完結するよりも、複数のウェアを準備しておくことでより快適な登山を行うことができるようになります。
③アウターレイヤー(防寒、防雨、防風)
「アウターレイヤー」はこちらも名前の通りで、1番上(外側)に着用するウェアのことです。
山の天気は変わりやすいため、突然の雨や風、雪などの悪天候から体を守る役割があります。
登山当日、雨や雪の予報が出ていなくても必ずザックの中に忍ばせておく必要があるため、機能性に加えて軽量かつコンパクトに収納できるものを選ぶと持ち歩きやすくお勧めです。
また、どんなに暑くても雨が降っていれば「アウターレイヤー」を着用するため、「アウターレイヤー」には雨の侵入を防ぐ「防水性」と汗を外に逃がす「透湿性」が特に重要となります。素材としては「ゴアテックス」が一般的となりますが、ベースレイヤーやミドルレイヤーと比較して非常に高額となるため、なかなか手が出ないという方もいるかと思います。
実は私もそんな一人で、折り畳み傘一本忍ばせて登山をしていた時期がありました。実際に突然の雨に見舞われた時に傘を差しましたが、足元がぬかるんで転倒リスクが高まっている中、傘で片手が塞がってしまい、さらには強風に煽られてより転びやすくなってしまったりと非常に危険な事態を招いたため、今では必ず「アウターレイヤー」を携帯するようにしています。
「アウターレイヤー」はレインウェアとして普段使いもできるようなデザインのものを選んでおくと、使用回数も増えて結果的にコストパフォーマンスが良くなると思いますので、登山中の万が一から自分の身を守るために思い切って購入しておきましょう。
素材、機能性で選ぼう!
「登山の服装」の基本であるレイヤリングはただ重ね着をすればいいというわけではなく、「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」の役割を理解したうえで、それぞれの役割に適した素材及び機能性のものを適切に選ぶことが重要です。
なんでもアウトドアメーカーの高いウェアを着ればいいというわけではなく、しっかりと目的に合わせたウェアを選択できるようになることで無駄な出費も抑えることができ、金銭的にも快適な登山となるでしょう。
「服装」以外で準備しておきたい「登山ギア」(初心者向け)
①登山靴
登山靴は形状(ローカット、ミドルカット、ハイカット)、重量、履き心地で選びましょう。
登山道は砂利やごつごつした岩場、泥や苔などで滑りやすい道など様々で、普段歩いている舗装された道とは比較にならないほど足に負担がかかるため、足をサポートしてくれる登山靴は必須アイテムです。
形状 | 重量 | 適応 |
ローカット | 軽い | 舗装された登山道 |
ミドルカット | ローカットとハイカットの中間 | 舗装/未舗装の登山道 |
ハイカット | 重い | 未舗装の登山道 |
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ローカット
ミドルカット
ハイカット
②登山ザック
登山ではザックを背負ったまま長時間行動するため、普段のリュックよりもフィット感を重視して選ぶ必要があります。実際にお店で試着して店内を歩き回ってみましょう。
また、サイズも様々なため目的に合わせて最適なものを選びましょう。
サイズ | 目的 |
20 L | 日帰りハイキング |
30 L | 日帰り登山(ソロ) |
40 L | 山小屋泊(1泊2日)登山 |
50 L | 日帰り登山(子連れ) |
60 L | テント泊(1泊2日)登山 |
③帽子
登山では日差しや雨、万が一の落石などから頭を守るために帽子を被ることをお勧めします。
汗冷えを防ぐために吸汗・速乾性の素材のものを選びましょう。
④サングラス
標高の高い場所では平地よりも紫外線の影響が強くなるので、「目の保護」及び「太陽光からの視界確保」のために着用することをお勧めします。機能性の目安としてUVカット率が99%以上のものを選ぶと安心です。
適切な服装と装備で快適登山へ出かけよう!
「登山の服装」に関する基本知識を活用して早速登山用の服装を揃えて山へ登ってみましょう。
実際に山に登ることで新たな気づきもたくさんあるため、少しずつ自分に合った登山スタイルを確立していくことで、より登山が楽しく快適になるはずです。
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